Euphorbia weberbaueri


記念すべき初回に紹介するユーフォルビアはEuphorbia weberbaueri ユーフォルビア ウェベルバウエリ。

なぜ最初にこんなシンプルな棒ユーフォルビアを紹介するかというと、初めて手に入れたユーフォルビアであると同時に、
私自身がこの種がきっかけで深いユーフォルビア沼に足を踏み入れることになったからである。

栽培で最も楽しめるのは新しい枝を伸ばす瞬間だ。
柔らかで色鮮やかな枝が、やや頭を垂らした状態からしゃんと立ち上がり硬化していく様は本当に愛らしい。
葉も展開するが笑ってしまうぐらいささやかだ。
残念ながらまだ花は見れていない。咲いたら

ウェベルバウエリという名前はあまり馴染みがないが、ペルーの植物体系を築き上げたドイツの植物学者Augusto Weberbauerの名より命名されたものである。
実はペルーを自生地とする種には、Weberbauer氏の名から献名されているものが数多くある。
その最もたるものとして、ペルー北部に固有のサボテン:Weberbauerocereus属や、アブラナ科高山植物:Weberbauera属が挙げられる。種小名を超え属のひとつにまで献名されているのである。
さればWeberbauer氏の名を関するこのユーフォルビアはペルーを代表するユーフォルビアと呼んで差し支えないのではないだろうか。

Augusto Weberbauer
( 1871 – 1948 )

ウェベルバウエリの原産地は、南米ペルー北部からエクアドル南部の一部に分布している。
ペルーは3つの地域に分けられる。
・沿岸部に広がる砂漠地帯コスタ
・アンデス山脈の高原地帯シエラ
・アマゾン川流域の熱帯地域セルバ
ウェベルバウエリが生息しているのは主に高原地帯シエラである。(右図の茶色部分)

タイプ標本採取地はカハマルカCajamarcaとあるが、
最初にこの種が報告された文献「Repertorium specierum novarum regni vegetabilis 29巻 (1931)」を読むと、標高900mで見つかったと表記があった。
カハマルカの街自体は2,750mもの標高を誇る。かのマチュピチュよりも高い。
標高900mと2,750mでは環境がかなり違うと思うがどうだろうか、と気になり、カハマルカ周辺の標高断面図を調べてみた。
海岸から少しいくと一気に標高が高くなっていることがわかる。
1,500mや2,000mが当たり前の中、ほんの少し900mぐらいのところが見つかった。
なるほど、ここだなと一人納得。
そしてその先4,000m級の山を超えるとまたわずかに900m程の場所が見つかる。
ここもまたGBIFのレコードとピッタリ合致するのである。
想像するにウェベルバウエリはこのわずかな1,000mくらいの山間で、山の斜面に沿って出来る霧の中を生きているのではないだろうか。

自生地に想いを馳せたが、栽培環境下では至って強健な種である。
真夏はあまり元気がないようで遮光をしてやっているが、それ以外の季節は気が向けば水やりをしてやる。
棒状のものは伸びても切り戻しが然程苦ではないので気が楽だ。
冬も夜間0℃以下になる場合は室内に取り込んだりするが、基本は屋外放置にしている。