about Euphorbia

ユーフォルビアの取り扱い

ユーフォルビアは乳白色の樹液を持っています。
葉・茎・幹・根全てにおいて、傷をつけるとこの樹液が溢れますが、
この樹液は毒であり非常に危険です。

皮膚が水ぶくれになったり、傷口などに入ると腫れ上がったりします。
その蒸気でさえ、目や鼻の粘膜に刺すような痛みを生ずることがあります。
また目に入ることは非常に危険で、一時的・恒久的に失明する可能性があります。

取り扱いには充分注意して頂くようお願い致します。
植え替えや剪定の際には手袋やマスク、さらにゴーグルなど、身を守る手段を講じてください。
身体についた樹液はすぐに洗い流すと共に、作業後の道具なども充分管理をしてください。
特にお子様やペットがいらっしゃる方は、危険であることを理解してください。

なお、この乳白色の樹液は水溶性ではなく脂溶性です。
皮膚や道具についた樹液を綺麗に洗い流す最も効果的な方法は、
最初に植物油などを浸したタオルでそれをこすり落とし、次に石鹸と水で油を洗い流すことです。

また愛好家の中では、Aeonium lindleyiの葉に含まれる樹液はユーフォルビアの毒を中和すると言われています。
※医学的根拠に基づいたものではありませんので、万が一の際はまず最寄りの病院にて診察を速やかに受けてください。
下葉を切り取り患部に直接すり潰しながら練り込みます。
唇などにもそのまま汁を練りこんでください。味は美味では有りませんが苦くも酸っぱくも無いので口にしても問題無いです。
また万が一の目に毒の場合は目薬をさす様にたっぷりと流しこみます。投与後は徐々に痛みやかゆみは緩和されます。
陰に置いたひ弱な徒長した株や水分をたっぷりと含んだ株の状態では効果がかなり弱まりますので注意してください。

Aeonium lindleyi
カナリア諸島に自生 後ろにはE.balsamifera

ユーフォルビアとは

ユーフォルビア属は少なくとも2,100種が含まれている大家族です。草姿も様々で、草本のようなものから、サボテンのような多肉質なものまで多岐に渡ります。日本でクリスマス時期に楽しまれるポインセチアも実はユーフォルビアなのです。(E.pulcherrima)

tresでは主に多肉植物としてのユーフォルビアを紹介しています。
多肉質のユーフォルビアは、アフリカ南部や東部、マダガスカルが最も多様ですが、熱帯アジアや南北アメリカに自生している種もあります。

ユーフォルビア属の最大の特徴は「サイアチウム(複数形:サイアチア)」と呼ばれる極小の花です。植物界でユーフォルビア属のみが持つ花の形状です。そして属内でも多様な見た目の変化があり、それが種を特定する一つの目安にもなっています。

雄蕊・雌蕊ではなく、極小の花の集合体がサイアチウムです。(花の先端に雄蕊・雌蕊はあります)

総苞(involucre)と呼ばれる土台の上に、腺(gland)・雄花・雌花が乗っている構造になっています。苞葉(cyathophyll)は持つ種と持たない種があります。持つ種の代表としては花キリン(E.milli)が挙げられるでしょう。美しい杯状花序苞葉を持ち、「花」のような外観を呈しています。

近年DNA配列の研究が進み、これまで別属とされてきたモナデニウム(Monadenium)、ペディランサス(Pedilanthus)、ニシキソウ(Chamaesyce)はユーフォルビア属に統合する動きになっています。